2026年8月16日に受験した「全国通訳案内士」一次試験の結果が発表されました。
結果は「不合格」でした。
この記事は、全国通訳案内士試験に合格した人の体験記ではありません。約1年間、かなりの時間をかけて準備しながら、一次試験を突破できなかった一受験生の記録です。「これだけ勉強しても、なぜ合格できなかったのか」。そんな失敗談と自己分析から何らかの情報を得たい方がいらっしゃれば、ご一読いただければ幸いです。
受験結果
日本地理と日本史については、試験直後に問題ごとの自己分析を行い、すでに別の記事として投稿しています。
日本史についてはこちら。

日本地理についてはこちら。

ちなみに「通訳案内の実務」については、時間切れとなった最後の1問を除き、ほぼ全問に解答できました。JNTOから届いた結果も「合格」でした。一方、「一般常識」は自己採点の段階で合格基準に届かず、JNTOの判定も「不合格」でした。
したがって、一次試験全体としての結果は「不合格」です。
913時間の受験準備
2025年9月に勉強を始めてから、2026年8月の試験当日までの学習時間を集計してみました。
合計は913時間でした。
月平均にすると約79時間です。なお、8月については試験日までの半月分として計算しています。
| 期間 | 2025年 | 2026.1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月(半月) | 合計 |
| 時間 | 280 | 84 | 98 | 83 | 79 | 95 | 83 | 76 | 35 | 913 |
もっとも捗ったのは、今年の1月後半から2月にかけてと、連休のあった5月でした。
この1年間は旅行などの余暇をほぼ諦め、かなりの時間を受験勉強に振り向けました。それでも、夏に入った7月は暑さもあって明らかにペースが落ちました。
これは来年も起こり得ることです。したがって、次回は「夏に追い込めばよい」と考えず、暑くなる前までにどこまで準備を進められるかが重要になると思っています。
もっとも、徹夜で勉強するようなことは最初から考えませんでした。午後3時以降は、よほどのことがない限り自由時間とし、近隣へ映画を観に行くなどして気分転換をしていました。
集中して勉強したのは、主として木曜・金曜の朝6時以降と、土日の午前9時から午後3時までです。
長期間の受験勉強では、勉強時間そのものだけでなく、勉強を継続できる生活のリズムを作ることも大切だったと思います。
過去問を徹底して繰り返した
今回の受験勉強で、私がもっとも重視したのが「過去問」でした。
2009年以降の過去問はすべて少なくとも2回、多いものでは5回繰り返しました。

単に問題を解くだけではありません。本番と同じように時間を測り、マークシート形式の解答用紙を用意して、一人で「模擬受験」を繰り返しました。
その効果は確かにありました。30分という限られた時間の中で、どの程度の速度で問題を処理し、どれだけの時間を最後の見直しに残すのか。このタイムマネジメントについては、かなり身についたと思います。
実際の試験でも、日本地理、日本史ともに全問を解答したあと、もう一度最初から見直し、それでも最後に数分の時間が残りました。日本史では、この見直しによって最初の解答を変更し、結果的に正解できた問題もありました。
したがって、過去問を繰り返したこと自体が間違っていたとは思っていません。
問題は、過去問以外に何をすべきだったか・・・です。
最大の敗因は何だったのか
試験から時間を置き、改めて冷静に結果を振り返ってみました。
私なりにたどり着いた最大の敗因は、
「過去問にこだわり過ぎたため、過去に出題された頻出分野への知識は深まったものの、日本地理と日本史を広く網羅する知識の拡大が不十分だった」
ということです。ここでいう「広く網羅する知識」とは、もちろん案内士の試験に出てもおかしくないような常識的な知見(ただし過去問には見当たらないもの)です。
過去問で経験したことのある地域、史実、人物、文化などについては、かなりの確率で正解できました。一方、過去問でほとんど、あるいはまったく遭遇していなかったテーマになると、途端に弱さが出ました。
たとえば、
南禅寺の水路閣、大正期の就学率や文化、琵琶湖周辺の湧水、琵琶湖にある島の名称、広島のカキを使った鍋料理、宮崎県の洞窟と神社・・・
こうした未知の問題では、知識そのものがないため、類推することさえ難しい状態でした。
過去問は、過去に何が出題されたかを知るためには非常に有効です。しかし、当然ながら「次に何が出題されるか」をすべて教えてくれるものではありません。今回の試験で、その当たり前の事実を痛感しました。
「知らないこと」だけが敗因ではなかった
もう一つ、大きな反省があります。それは、知らない問題に遭遇したときの対応力です。
日本地理では、大阪市の造幣局の位置や大阪天満宮周辺について、国土地理院の詳細な地図を使った問題が出題されました。私は、この見慣れない形式の問題が出てきたこと自体に動揺しました。しかし試験後に冷静になって問題を見直してみると、問題文と掲載された地図をもっと注意深く観察すれば、正解に近づくための手掛かりはありました。
南禅寺の水路閣に関する問題も同じです。問題文から「水」と「発電」が重要なテーマであることが読み取れました。それにもかかわらず、「電気鉄道」という見慣れない表現に引っ掛かり、自分から正解の可能性を外してしまいました。
ここで気づいたことがあります。
「知らない」ことと、「問題の中にあるヒントを読み取れない」ことは別問題ということです。
知らない知識を試験会場で突然増やすことはできません。しかし、知らない問題が出たときに、問題文、地図、写真、選択肢などに含まれる情報から正解を推理する力は、訓練によって伸ばせるはずです。これは来年に向けた重要な課題になりました。
来年に向けて
では、次回の試験に向けて何を変えるのか。
過去問をやめるつもりはありません。むしろ過去問は、スポーツでいう「ランニング」のような基礎練習として、これからも続けます。ただし、過去問を勉強の「中心」に据える方法からは少し離れます。
これからは、日本地理と日本史について、教科書、地図、資料、旅行・観光情報などをこれまで以上に幅広く読み、「過去問に一度も出ていない知識」を意識して増やしていこうと思います。
これは一朝一夕にできることではありません。時間をかけて、少しずつ知識の空白地帯を埋めていくしかありません。日本地理については、白地図への書き込みもさらに充実させる必要があります。
山、川、湖、温泉、神社仏閣、世界遺産、伝統産業、郷土料理、祭り、鉄道、観光地。

単独の知識として暗記するのではなく、「どこにあり、その周囲に何があり、歴史とどうつながっているのか」を地図上で関連づけながら覚える方法を増やしていくつもりです。
最後に
913時間勉強して、不合格。数字だけを見れば、なかなか厳しい結果です。しかし、913時間が無駄だったとは思っていません。
1年前と現在とでは、日本の歴史や地理について持っている知識の量がまったく違います。全国通訳案内士という目標がなければ、これほど集中的に日本について勉強することもなかったでしょう。
そして今回、不合格になったことで、自分の勉強方法の弱点もはっきり見えてきました。過去問を繰り返して「出たことのある問題」に強くなるだけでは足りない。
知らない問題に出会っても、持っている知識を組み合わせ、問題文に隠された手掛かりを拾いながら考える。そのためには、もっと広く、もっと立体的に日本を知る必要がある。
これが、今回の不合格から得た最大の教訓です。
今回の一次試験を突破された皆さんには、素直に敬意を表したいと思います。日本史や日本地理を含む幅広い分野で、合格水準に達する知識と対応力を身につけられた結果だと思います。
「案内士の道」の受験勉強編は、今回をもっていったん終了します。来年の受験に向けて何か新しい発見や、皆さんの参考になりそうな話題が出てきたら、また投稿します。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。

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