これは個人差があるため一概には言えませんが、幼少期から思春期にかけて、私たちは「神は見ている」という言葉を母親や宗教系の教師から聞かされます。この言葉は論理的に考えれば破綻していますが、教育の一環として使われることが多いのです。
特にキリスト教を中心に、人間のすべての行動は高次の存在によって監視されているという話が古くから語られてきました。私も子供の頃、母親や教会でそのような話を何度も聞かされましたが、当時の私の反応は「?」でした。
どうやってすべての人の行動を24時間監視できるというのでしょうか?
思春期になると、私たちはさまざまな情報に触れる中で、死後の世界についての「噂話」を耳にするようになります。たとえば、死後の世界では、自分の人生のすべてを振り返り、その善悪が明らかにされるという話です。
筆者が見聞きした「高次元の仕組み」の情報源は次のようなものです。
スウェーデン・ボルグ教授
霊的体験に基づく膨大な著作を残しているボルグ教授です。(大英博物館に書籍が残されている)
「人は死後も生前の記憶を保持している。死ぬ前に見聞きしたこと、学んだこと、考えたこと――それは幼児期から死の瞬間までのすべてが記憶に残っているのだ。」(スウェーデンボルグ、1758年の著作『天界と地獄』Heaven and Its Wonders and Hell、より)
ある者は生前に犯した罪や悪事を死後も否定し続けるが、冥界では自らの記憶が引き出され、隠すことはできない。すべての過去の行いが暴かれ、誰にも知られなかった行動までもが明るみに出る。(同書、他にも事例が多く述べられている)
さらに天人による説明では、思考や意志はまず脳に記録され、そこから体全体に伝達されるという。したがって、私たちのすべての行動は体全体に記憶されており、それが霊的な身体にも残るのだという。(同書)
ポール・ピアサル医師
アメリカの医師ポール・ピアサル氏 (Paul Pearsall、1942-2007)は、1999年の著書『The Heart’s Code』で、心臓移植を受けた患者がドナーの好みや趣味を引き継ぐ現象を報告しています。このことから、ピアサル医師は記憶が脳だけでなく、心臓や他の臓器にも保存されていると主張しています。
ドロレス・キャノン、その他の情報
また、ドロレス・キャノンは数千例の退行催眠を通じて、死後の「人生の振り返り」について述べています。彼女によれば、人は死後に自らの行いを再体験し、その結果に基づいて賞罰を決定するのは、神ではなく自分自身だといいます。
霊媒による高次元の存在や宇宙からのメッセージ(例えば米国で名のあるの「バシャール (Bshar) 」や国連でも演説した「クライオン (Kryon) 」のメッセージ)には、人間の細胞が記憶を保持しているという解説が多く含まれています。
情報整理
これらの情報を総合すると、「神がすべてを見ている」という教えは飛躍がありますが、実際にはすべての記憶は自分自身の中にあり、死後それを振り返ることになるというのが妥当な説明です。キャノンが述べているように、最終的には自分自身で自らの行いを評価し、その結果に基づいて報いを受けるのです。無論、そこには立ち会う存在もあるのでしょう・・・
したがって、教育においては「神が見ている」というよりも、「自分自身がすべてを記憶している」という視点を早い段階から子供に教えることが有益なのではないかと思います。
別途議論していますが、現段階で自分の霊性と向き合う意思を持たない人にも存在する権利があります。ここでの話は、あくまで人霊という概念と向き合う人どうしの話し合いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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