本日、2026年5月20日。
日本政府観光局より官報版にて、2026年度(令和8年度)の全国通訳案内士試験の概要が公表されました。筆記試験日は8月16日(日)、受験願書の受付期間は6月1日(月)から7月10日(金)まで(予定)と発表されています。
前年度の9月から本格的に受験準備を始めて、早いもので9ヶ月弱が経ちました。現在までの総学習時間は約730時間。このペースを維持すれば、8月の試験日までには累計で900時間程度に達する見込みです。
これまで本ブログでご紹介してきた暗記法や学習の心得に加え、現在までに新たな傾向と対策の手立てを進めてまいりました。その結果、合格基準である「70%の正解率」をクリアするための受験準備としては、十分に充実した手応えを感じております。
本年度の出題予想についてもかなり具体的なアイデアがありますが、現段階で公開することは観光局の著作権に触れる恐れがあり、また実証のない個人的見解で読者の皆様を困惑させてはいけませんので、具体的な内容は受験後に(合否を問わず)じっくりとお話しさせていただきます。
というわけで、この記事が8月の本番前に届ける「案内士の道」の最後の投稿となります。
過去問の制覇は「合格への王道」
この時点で確信を持って言えることは、何はなくとも「過去問」の習熟と徹底的な研究こそが、合格への王道であり近道であるということです。ここでは具体的な中身には触れず、過去問の重要性と個人的な取り組みについてまとめます。
過去問は、最低でも3回は繰り返して取り組むべきです。
1回目:愕然とするステップ
最初の挑戦は問題の難しさに打ちのめされますが、ここが一番苦しい踏ん張りどころです。
2回目:自信と課題のステップ
ある程度期間を空けて臨む2回目は、約50%の問題に自信を持って答えられるようになります。理解が足りない部分が浮き彫りになると同時に、時には70%を超える結果も出始め、少しずつ自信がついてきます。
3回目:スピードと「凡ミス」のステップ
3回目ともなれば時間配分も身につき、制限時間内に余裕を持って解答できるようになります。しかし、ここで新たな障害が立ちはだかります。それが「凡ミス(早とちり)」です。問題文を速読するあまり、設問のトリックを見落として四択のワードだけで飛びつくと、簡単に答えられたはずの問題で失点してしまいます。この段階での課題は、速読による誤答を徹底的に撲滅することにあります。
過去問は学習ではなく「体験」である
過去11年分の地理と歴史の過去問(計22回分)を3回繰り返し、合計66回の過去問演習を重ねてきました。私がこれを単なる学習ではなく「体験」と呼ぶのには理由があります。
設問に登場するのは、すべて日本の地理、歴史の一コマ、あるいは美しい観光資源です。
理解度が低い内容に直面したときは、動画サイトで詳しい映像を視聴したり、観光案内をじっくりと読み込んだりして、自らその場所に赴くように「体験」してきました。単に文字を「暗記」するのとは、頭の中で「刻まれ方」がまったく違います。日本の動画作成者には非常に優れた方がおられます。これらの動画配信者の皆さんには大変感謝しております。
最初は難解で初耳だった史実や地名も、やがて馴染みのある物語や風景の一部として、自分自身の「思い出」のように意識の中に積み上がっていきます。そうなると、知識が縦と横に繋がり始め、毎日の過去問演習が非常に興味深く、楽しい時間へと変わっていきました。
かつては殺風景だった山形県や山口県の白地図は、今や名所や史実のメモで埋め尽くされています。覚えにくかった一級河川の名称も、歴代の天皇や総理大臣、北条氏の執権や徳川将軍の系譜も、数々のユニークな史実という縦糸と横糸で立体的に編み込まれ、私の中で生きた知識として息づいています。

四択問題の「裏筋」を読み解く
案内士試験は、ほぼすべてが四択問題です。
当初は正解となる選択肢だけを追いかけていましたが、繰り返し問題を体験するうちに、正解以外の選択肢にも意識が向くようになりました。私はこの不正解の選択肢のことを「裏筋」と呼んでいます。
これらの不正解の選択肢は、試験全体を構成する「重要な知識のプール」から引っ張り出されてきたものです。つまり、「ある問題での不正解は、別の問題での正解になり得る重要ワード」の宝庫なのです。
これ以上踏み込むと出題傾向の分析に深く触れてしまうため割愛しますが、この四択の「裏筋」をじっくりと体験し、周辺知識を拾い上げていくことも、直前期の重要な戦略となっています。
究極の知見が問われる「間違い探し」への対策
四択問題には大きく分けて2つのパターンがあります。
- 単純に知識を試す問題(例:高知県にある日本三大鍾乳洞のひとつを選べ 等)
- 4つの短文から、正しい記述(または誤った記述)を選ばせる文章問題
私が「間違い探し問題」と呼んでいる後者は、まさに究極の理解度チェックと言えます。「ちょっと知っている」程度の中途半端な知識では太刀打ちできません。例えば菅原道真に関する問題であれば、誰もが知る遣唐使の廃止案や大宰府左遷の物語だけでなく、左遷前に出張した際のニッチな史実が平然と出題されます。
受験者は、国家試験の問題文は「基本的に正しい記述の集合体である」という強い先入観を持っています。つまり、文章の一言一句を疑うことに慣れていません。出題者はその心理的な隙を突き、微妙に間違った文章を紛れ込ませて受験者を惑わせ、時間を奪いにきます。
これに対抗するため、私はよほど簡単な問題でない限り、これらの文章をすべて手元の「手作り参考書」に書き出しています。そして、間違っている記述については、AIを活用しながらすべて「正しい文章」へと書き直し、完璧な正文にしたものとオリジナルの問題文をセットで記録に残す作業を行ってきました。
このアプローチにより、出題者がどのような意図で「不正解の選択肢」を作っているのかが浮き彫りになり、同時に周辺知識をさらに強固なものへと磨き上げることができています。
今後の投稿について
これ以上の具体的な手法や、新しく考案した情報集約方法については、現段階では胸にしまっておきたいと思います。すべては本番を終えた後、本年8月以降にこの場所でじっくりとお話しさせていただきます。

泣いても笑っても、あと3ヶ月弱。悔いのないよう、一日一日を大切に積み重ねてまいります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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この記事のきっかけになったお話はこちら
リンク:案内士への道(第1回)
前回の「案内士の道」シリーズはこちら
リンク:案内士の道:続過去問との格闘
次回は
<受験後に投稿予定です>

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