2010年頃から、ネットを中心に「地獄」という概念が否定される新たな説が広まり始めました。すなわち、さまざまな宗教で語られる地獄が実際には存在しないという主張です。しかし、これは本当なのでしょうか?
前編では、地獄という概念やその描写、伝承について私自身の印象を述べました。どうも違和感を覚えるというのが現時点での私の考えです。
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この記事には、読者にとって心理的ストレスを引き起こす可能性のある内容が含まれています。この記事を読むことで生じる心理的影響について、筆者「よもやま無禄」およびこのブログ「生きかた千夜一夜」は一切の責任を負いません。
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また、この記事の目的は特定の思想を読者に押し付けることではなく、あくまで一人の人間としての視点から「地獄」という概念を紹介するものです。SFやファンタジーの一環としてお読みいただければ幸いです。
なお、この記事を他者に紹介することは自由ですが、引用や講義の素材として使用することは固くお断りします。
知られざる格言
約10年前、私が耳にして「なるほど」と感銘を受けた英語の格言があります。それは以下の一文です。
The worst hell you can be in is the hell you don’t know you are in.
これを日本語に訳すと、「人が囚われる地獄の中で最も過酷なものは、自分がすでにその地獄にいることを知らない地獄である」という意味になります。
英語という言語が常に優れているとは思いませんが、この格言に関しては、英語の表現が非常にシンプルで、深い意味を見事に表現していると感じます。
この格言の出典については後述しますが、その伝えたかった内容は、「本当の災難は、本人が自覚していない災難であり、自覚がない限り、そこから抜け出すことはできない」ということです。
ドロレス・キャノンの発見
米国の退行催眠療法の先駆者であるドロレス・キャノン(Dolores Cannon, 1931年4月15日 – 2014年10月18日)は、数千に及ぶ患者を催眠療法により、霊的な過去に遡ることができる手法を持ち込んだ人物です。彼女の手法は医学界で公式に認められてはいませんが、数多くの施術の現場が存在し、多くの書籍が出版されています。彼女の著作は、世界中で読まれています。
キャノンは、講演の中でしばしば「地獄は存在しない」と断言していました。彼女が催眠療法で接触した多くの意識から学んだことは、「創造主のような偉大な存在が、人霊を炎の中に突き落とすようなことはしない」ということです。
彼女は例え話として、「あなたは自分の子供が何か悪いことをした時に、その子供を炎に投げ入れますか? そんな親はいませんよね」と語っていました。
一方で、彼女は「例外」として、「自分自身で自らの悪行に対して罰を与える」という意識の行動も紹介しています。死後、霊は自分の生涯を振り返り、その過ちに対して自分自身を裁くのだといいます。この過程が、いわゆる「後悔」や「自責の念」であり、それが「地獄」を創造することになるのです。
地獄の実像とは
前編で触れた「地獄の伝承」と、ここで紹介したキャノンの発見を照らし合わせると、ある結論が導き出せます。それは、「死後の霊は、自分の悪行を自ら裁き、地獄のような状況を自分で創り出すことがある」ということです。
米国のダリル・アンカ(Darryl Anka, 1951- )は、地球外の高次元存在と意思疎通を行うメディアムとされています。彼のメッセージによると、地球での生活は、能力が制限された非常に厳しい環境であり、地球人はその中で生き延びているとされています。
彼の伝えた格言が、冒頭で述べた「The worst hell you can be in is the hell you don’t know you are in.」です。この言葉は、我々が地球で直面している状況が、実はすでに地獄であることを暗示しているのかもしれません。
地獄は創造されている
自分の現在と過去の生き方に対して、最も厳しい評価ができるのは、他ならぬ自分ではないでしょうか?そして、他界後の「後悔・自責の念」は、生前の感覚より遥かに強いといわれています。
「地獄は本当に無いのか?」という問いに対して、私はこう答えます。
「否、人類はすでに地獄を創り出してしまっている」
しかし、私たちが本来の「地獄の無い世界」に戻るためには、自らの「悪意・虚偽・悪行」を手放し、地獄無用の世界を実現する不断の努力を続ける必要があるのではないでしょうか?
多くの有識者やシャーマンを名乗る人々が、「地獄は有るよ」と言っているのは、そういう意味なんだろうと思うのです。
最後まで参照いただき、誠にありがとうございます。
前編を読みたい方は、こちらです。
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