4節:日本地理の暗記法

千夜一夜

前節までのお話をご覧になっていない方は、こちらからどうぞ。

今回のアイキャッチ画像は、2025年の秋、私自身が編纂した「日本地理の出題履歴と訪日外国人が選ぶ観光地ベストテン」を日本の白地図にプロットしたものです。当初、こうしたマッピング形式で情報を頭に入れようと試みたのですが、これは想像以上にハードルの高い勉強法でした。地図を作ってはみたものの、二度三度と眺めたところで、なかなか頭の中で整理しきれなかったのです。


地理の試験もまた難関。要領よく準備を進めなければ、いつまで経っても及第点である7割の壁を越えることはできません。

都道府県コードの有効活用

「日本の複雑な地理を、国はどのように体系化しているのだろうか?」
そんな視点で調べていくうちに、私は「全国地方公共団体コード」という体系に辿り着きました。北海道の「01」から沖縄県の「47」まで、すべての都道府県には正式な番号が振られているのです。

このコードは、1968年(昭和43年)に自治省(現:総務省)が事務処理の簡素化のために導入し、その後、統計処理用としてJIS規格にも指定されたものです。
実は、国宝や重要文化財、あるいは「重要伝統的建造物群保存地区」の一覧など、行政が公表している観光資源の情報は、その多くがこのコード順に整理されています。

これを利用しない手はありません。

右脳に「48マスの棚」を作る

私は、縦に6行、横方向に8列の「マトリクス(表)」を作成しました。左上のセルを「0(予備)」とすれば、残り47のマスにすべての都道府県が見事に収まります。
このマトリクス上の番号に各都道府県を割り当てることで、私の頭の中に「日本地理の専用収納棚」が定義されました。これが、右脳で捉えるべき「場所」になったのです。

まずはこの体系を頭の中に描いて記憶の基盤(テンプレート)にします。
都道府県を総務省の自治体コード順に置いたマトリクス。紫の丸はこれまでの試験であまり触れられていない地域。緑色は後述する白地図の準備ができた地域。(2026年2月15日現在)

まずは、日本地理に頻出する最重要事項をこの48マスのマトリクスにざっとマッピングし、「セルの位置・都道府県・内容」をセットで覚えていきました。

絶対に覚えておくべき日本地理をマッピングしたところ。都道府県名は書かずに、「位置」で把握する。

この方法を試したところ、主要な観光資源については、わずか2週間ほどで暗記することができたのです。さらに詳細な情報も、時間をかけて地道にマトリクスの「あるべき場所」へ置いていくことで、混沌としていた日本地理が、次第に頭の中で整然と描けるようになっていきました。

地図とマトリクスの相乗効果

土台となる「棚」ができれば、あとは白地図の出番です。
どの観光資源が都道府県のどの位置にあり、新幹線がどのように繋がっているのか。マトリクスで覚えた知識を実際の地図上で検証していく作業を繰り返すうち、地理への恐怖感は徐々に薄れていきました。

例えば「寺社だけのマトリクス」や「現存12天守・国宝5城だけのマトリクス」を個別に作り、それを写真のように右脳に焼き付けておけば、膨大な情報も迷子になることはありません。

右脳をフル稼働させる

歴史の記憶法でも述べましたが、地理においても「位置」と「資源」を視覚的に捉え、右脳で整理することが、暗記におけるベストな戦略だと確信しています。

平等院鳳凰堂 都道府県マトリクスの26の位置・京都にある平安時代の優美な寺院。世界遺産古都京都の一つ

もちろん、各都道府県の実際の形状や位置関係も重要です。現在は、47都道府県それぞれの白地図に情報を書き込み、自分だけの「絵」を一枚ずつ仕上げている最中です。2026年2月現在、全47件のうち34件まで作り終えました。これから毎日過去問と格闘しながら、この地図をより密度の濃いものに育てていくつもりです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

次回は、高齢者である私がたどり着いた「暗記の極意」——その戦略的な考え方についてご紹介します。

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